風水家相を左右する「張り」と「欠け」
「張り」は簡単に言うと、構造上、家の一部や部屋が出っ張っている部分です。出窓などもこれに含まれます。「張り」は前進、積極性、発展を意味し、一般的に「張り」は吉の運気を呼び込んでいきます。ですから家相を吉相にもっていくときには、あえて「張り」を作っていくという方法をとることもあります。
反対に、家の引っ込んでいるところが「欠け」となります。土地や家の一部がへこんでいたり、切り取られていたりする構造です。「欠け」は凶の運勢をもたらすとされています。「欠け」は不足、欠乏、消極性などを象徴しています。ですから、家相を改善していくときには、この「欠け」をいかに觧消していくかがポイントになります。
「張り」や「欠け」は、方位やその人のもつ九星によって吉相にも凶相にもなります。運勢が大きく変わっていきます。その代表的な作用が方位や星の吉凶を強調するというものです。
大凶の暗示「不浄張り」
家相においていちばん良くないのが「不浄張り」です。不浄というのはトイレ、浴室、洗面所などのことです。家の中でこれらの不浄物がどの場所に位置しているかというのは、とても重要な意味をもってきます。
トイレは人間の排出物を処理するところです。浴室は体や毛髪の汚れを落とすところで、トイレと同じような場所です。これらは「陰の気」が溜まりやすい場所です。こうした不浄物が張り出していると、その「陰の気」がますます増幅されて、強い凶作用をもたらしていくことになりす。
また、不浄物がどの方位にあるのかも十分に注意しなければなりません。定位にあれば、強い凶作用を受けます。南西にあるときには、その家はすべてが凶相になります。家族関係はうまくいかず、健康も害してしまいます。ですから不浄物をどの位置に配置するかは、十分な注意が必要です。
「張り」と「欠け」は風水家相の重要ポイント
「張り」「欠け」の見分け方
家相を見るうえでこの「張り」「欠け」が重要なポイントになってきますから、ここではもっとくわしいお話をしましょう。
一般的には「張り」が吉、「欠け」が凶とお話ししましたが、時として「張り」が凶作用を増幅してしまうこともあります。たとえ張っている部分でも、それが度を越しているような場合には凶作用をもたらしていきます。また、「張り」はその方位のもつ吉相を強調し、「欠け」は凶相を強調していきます。
一見して「張り」「欠け」とわかるときはいいのですが、なかなか判断しにくい場合があります。建物は完全な正方形や長方形になっているほうが珍しいからかもしれません。玄関などが張り出している場合も迷うところです。通常は、家屋の該当する辺の3分の1以内で判断します。つまり、3分の1以上張り出している場合は残りの部分を「欠け」とみなします。「張り」の限度も該当する辺の3分の1以内に収めるのが良く、3分の2以上になると「張りすぎ」というように判断しましょう。
「欠け」に含める場所
一見すると「張り」でも「欠け」でもないように思える場所でも、気の流れなどの条件から次のように「欠け」とみなす場所があります。
・玄関-玄関はドアによって外部とは仕切られていますが、ドアを開くとポーチと一体化した状態になります。天井やドアで囲まれており、完全な「欠け」とはいえませんが、外気との接触が多い場所としてとらえなければなりません。他の部屋とは区別して、「欠け」の凶相が起こらない配慮をしたほうが無難でしょう。
・土間―・-玄関と同じで大量の外気が流入しますから、十分な注意が必要です。
・窓-外壁の一部としてみることもできますが、やはり外気との接触が多い場所としてとらえます。とくに、リビングルームなどにある大きな窓は「欠け」の要素が大きくなるので、凶相の方位には十分注意します。
また、出窓は建物の一部とみなし、「張り」と考えます。鬼門などの出窓は避けたほうがよいでしょう。鬼門の凶作用を増幅してしまうことがあります。
方位によって異なる「張り」と「欠け」の作用
「張りの吉作用」と「欠けの凶作用」
「張り」と「欠け」の作用は、その方位によって異なります。ここでは方位ごとに、その吉作用と凶作用をお話ししましょう。
東方位
張りの吉作用
欠けの凶作用
南の方位
張りの吉作用
欠けの凶作用
西の方位
張りの吉作用
欠けの凶作用
北の方位
張りの吉作用
欠けの凶作用
東北の方位
東北は表鬼門になります。鬼門は「張り」「欠け」ともに凶意をもちやすい特性がありますが、小さな張りは吉作用をもたらします。
小さな張りの吉作用
大きな張り、欠けの凶作用
東南の方位
張りの吉作用
欠けの凶作用
南西の方位
ここは裏鬼門にあたります。絶対に「張り」や「欠け」を作ってはいけません。
張りや欠けのない吉作用
張りや欠けの凶作用
西北の方位
張りの吉作用
欠けの凶作用
健康運を下げる家の「欠け」に注意
自分や家族の体調がすぐれない、あるいはケガをしやすい…といったときには、家の中を風水で診察してあげましよう。その中で注意すべきは「欠け」です。
「欠け」は、その方位の運気を下げる作用があるからです。たとえば、家の東に「欠け」があると、長男がケガをしたり、家族の誰かが咽喉や肝臓などに関係した病気になりやすかったりということが起こります。
「欠け」がある場合には、「観葉植物」や「水晶」、「鏡」などを使って、その「欠け」をカバーするようにしましよう。
「暗い」「汚い」「臭い」が病気やケガの原因に
また、「欠け」はなくても、日当たりが悪い、汚れている、悪臭がするといったこともマイナス要因。その方位の運気を損なうことにつながります。
呼吸器系の調子が悪いときは「西」、胃の調子が悪いときには「西南」…といった具合に、身体の不調な部分と関係かおる方位に問題がないかチェックすることも大切です。とくに原因がよくわからない体調不良や同じ病気やケガを繰り返すときには、ぜひ再点検してみてください。
有形の凶作用と無形の凶作用がある
風水を実践するときに重要視されるのが方位です。しかし、実は方位の吉凶だけを考えても、風水環境の整った家は作れません。風水には、「形」と「理」といって、二種類の吉凶判断の方法があります。
「形」は、周囲の建物や道路など目に見えるものから吉凶を判断します。「理」は方位や本命卦など目には見えないものから吉凶を判断するもの。「理」である方位にばかり気を配るのではなく、「形」も注意していかなければなりません。
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