風水は中国や日本など東アジアに古くから伝わる風土民俗学で、建物や土地の配置など人々の生活に影響を与えるとされています。 現代風水は、建築やインテリアデザインに用いられることもありますが、信念や伝統に基づいたものではなく、現代の生活に適応した新しい考え方が提唱されています。また、環境問題に対応するための考え方も含まれます。現代風水の考え方は、多様であり、個人やグループによって異なるものもあります。
風水パワーが現代に蘇る
歴史は2000年のサイクルで大転換しているといわれています。今から二千年前、日本は縄文時代から弥生時代への移行期にあたり、中国大陸から伝来した文化や建築技術、農耕技術が定着し 始める時期です。それによって日本人がはじめて竪穴式という住居を建て始めました。それまで洞穴などに寝床を求めていたものが、家というものをもち始めたということなのです。
中国と日本の時代背景と文化交流を考えれば、この時すでに集落づくりに風水が取り入れられたとみることは、ごく自然なことだと思われます。同時に、農耕を始めることは一定の地に安住 するという生活様式をもたらした時代でもあるのです。大陸からの影響はそれだけではありませんでした。冠婚葬祭などの生活に密着した行事や、それらのもととなる宗教観などが次第に確立していったのもこの時期です。 その暮らしぶりは、その日暮らしから物を貯蔵する生活へ、ほんの小さな集団から大きな集団 生活へというように、生活の基盤そのものが拡大していきました。
世界の転換点
古い時代から新しい時代へと転換するその交差を西洋の宗教観では、終末と呼びます。代表的なものにノストラダムスの予言書があり、日本でも数多く出版されています。もとも とキリスト教の言葉なので、この終末という単語は日本では馴染みの薄い言葉でした。しかし最近では、雑誌、テレビ、新聞でも終末・世紀末などというキャッチフレーズを多く目にします。
その終末観も、調べてみると、決して人類が滅んでしまうという認識ではないようです。天災や人災、それに新しい文化や発明により、一気に環境や価値観、そして生活様式が変わってしまうことを意味しているのです。ですから、縄文時代から弥生時代への変化も、やはり終末であったということができます。この現代に風水が注目を浴びていることには、それなりの背景があるという認識が必要です。結論から申し上げると、今まさに終末のときを迎えようとしているということです。
環境問題と風水
風水には保護環境に関係する範囲はないとされています。風水は建物や土地の配置、形状、風向などを考慮し、幸福や成功をもたらすと信じられているところですが、環境保護や持続環境は保護科学的根拠に基づいた社会的取り組みが必要とされます。人類はやっと自然破壊から自然保護へと自らの環境を保全する方向へと転換を始めたばかりです。
1988年には国際的なフロンガスの規制強化および製造中止が決定されました。しかし、フロンガスが成層圏に上昇するのには少なくとも四年はかかるので、まだ半世紀以上にわたって地球のオゾン層は破壊され続けるのです。オゾン層が1%破壊されれば太陽からの有害な紫外線は2%増加するといいます。このように皮膚ガンや白血病などの原因とされるフロンガス問題ひとつをとっても、一朝一夕には解決されません。
人類は、エゴを棄てた地球環境保全を実現していかなければならない時代にきているといえます。破壊から保護という自然との共存が世界共通のテーマとなった今、風水が注目されるのは歴史の必然ともいえるでしょう。なぜなら、風水は人と自然の共存と繁栄が目的だからです。
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